星空の道 Snowblink

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2006.7 - 2010.9

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ウィーン版エリザベート コンサート・ヴァージョン(3/3)

 2幕の場面別感想です。

■第1場
 ルキーニは客席の中央辺りから紫のキラキラ衣装で登場、客席にチョコレートを撒きながら舞台にあがります。それをしながら楽々歌っているような「キッチュ」がすっごい巧み。(後方席で、間に空席の川があるので、客席降りも余所事のような距離感があって寂しかったですが)

■第2場
 ハンガリー王妃になったシシィが歌う「私が踊る時」。
 シシィが自信に満ちて、「敵に勝利した」「自分の道を見つけた」と歌うのに呼応して、トートが「俺の勝利だ」「俺のために道を用意してくれるのだ」と否定する内容を歌うのが、迫力あったし、シシィの心のなかに相反する気持ちがあるようで面白かったです。宝塚版は、歌詞が弱いかなっていう気がします。意味がよくわからない(そのうえ、雪初日は聞き取れなかったし)。

■第3場
 シシィが息子のルドルフを取り返したのはゾフィに勝つためで、取り返したら今度は自分の自由のためにルドルフを遠ざけたということがルキーニによってはっきり語られます。2幕ではシシィのそういう醜い面も次々さらされます。
 子役のルドルフはベッドの上に座っているところとか、トートの腕につかまって、振り回されるとことか、すっごい可愛かった。

■第4場
 精神病院を見舞うシシィ。
 ヴィンディッシュ嬢がシシィと同じ黒いドレスで登場し、拘束衣を着せられて連れて行かれるのが、リアルだなあと思いました。シシィが独りで「魂の自由」を歌うのが孤独感が強調される感じ。

■第5場
 ゾフィーの陰謀の場面。
 宝塚版だとコミカルなところもある場面ですが、笑う余地なし。シシィの力を削ぐためにそこまでやるかって感じ。それでも、あくまでも政治的な理由から、ということのようです。

■第6場
 マダム・ヴォルフの館の場面。
 ルキーニがドイツ語で歌った後、同じ歌を日本語で歌って拍手喝采。「殿方のお好みは『清く正しく美しく』」みたいな歌詞になってて、皮肉がきいているというか、ツッコミ入れたくなるっていうか(ここ娼館ですから)。
 皇帝の相手に選ばれた娼婦は病気にかかっていることがルキーニの歌で説明されます。

■第7場
 シシィは倒れ、トートが、フランツに娼婦の病気をうつされたのだと告げます。ここのシシィとトートのやりとりはすごく緊迫感がありました。シシィは最初はショックを受けるのですが、フランツの裏切りを知って傷ついたというよりは、嫌悪感や怒りのほうが強く表現されている感じ。「フランツが裏切ってくれたから私は自由になれる!」と言い、トートの誘いには耳を貸しません。
 その後、シシィが療養の旅に出て帰ってこないというのも、ただ浮気されたから、というよりも説得力があります。

■第8場
 フランツがゾフィーが策略をめぐらして結婚生活をだめにしたとゾフィーを責める場面(1曲目は宝塚版にはなし)。
 フランツはやっぱりシシィを愛しているんだなあと思うし、ゾフィーにはゾフィーの信念があるんだなあと思い、まったく話が通じ合わないのが悲しい。ゾフィーの「厳しくあることは易しくなかった」「取り返しがつかなくなって 初めて私のことを理解するのよ」という歌がよくて、ハマコさんのゾフィーに歌ってほしいと思ってしまいました。
 旅して歩くシシィにルキーニが向けるのはカメラではなく鏡。

■第9場
 「闇が広がる」。
 トートの声がルドルフっぽくて、最初一瞬どっちが歌っているのかわからなかった……。
 ルドルフがいいのです。声は繊細なんだけれど力強さがあります。ルドルフが歌う部分は狂気に至るかのような激しさでした。

■第10場
 宝塚版にない「憎しみ」というナンバーは、ドイツの群衆が入れ替わり立ち替わりしながら、最後にナチの台頭を表します。オケの音がほとんど入らず靴音の響きが印象的。

■第11場
 シシィが父の霊と話す場面(宝塚版にはなし)。
 父は、シシィが自分で心を閉ざしていると言います。そう言えば、このシシィは人に触れたり近づいたりしないなと思いました。

■第12場
 「僕はママの鏡だから」でルドルフが自分の気持ちを語るところで、シシィが別の場面で言っていたのと同じことを言っていて、ふたりが似ているというのに説得力がありました。

■第13場
 ルドルフの死の場面。
 ルドルフの周りに緑色のドレスの女が数人いて、拳銃を足で蹴って回しています(この女たちが何なのかわからなかったのですが、プログラムを見たら、この場面は「マイヤーリンク」となっていて、女はマリー・ヴェッツェラだったらしい)。トートも同じ緑のドレスで登場。「レプリークBis」のマテさんと姿月あさとさんの対談で読んでいなかったらびっくりしちゃったかも。マテさんがいうには、「トートは、エリザベートにはセクシーで若い男性に見え、ルドルフには絶世の美女に見える」そうです。〈死〉を見ている人間にとって一番魅力的な姿に見えるということらしいです。これ面白いなーと思ったんですけど、ウィーン版のトートはドレス着てるけど全然女には見えない。宝塚でこれをやったら、トートはかなりの美女になると思うんですけど……いや、やっぱりそんなのだめ。この設定は捨ててくれてよかった。
 死の口づけとルドルフが頭を撃ち抜くのは同時でした。そのほうが筋が通ってると思います。雪版のあれはどう考えたらいいのかな。

■第14場
 納骨堂の場面の印象があんまりない……ルドルフが死んでシシィは後悔しているんだけれど、ちょっと自業自得みたいな気もしました。トートの印象がほとんどない……。

■第15場
 ルキーニが売る土産物が、ルドルフの棺の前で嘆き悲しむシシィのポストカード(?)なのが、辛辣だなと思いました。
 「夜のボート」はフランツがシシィを愛しているのは伝わるんだけれど、シシィは「愛の力は大きいけれどできないこともある」と言い、二人はあまりにも違いすぎていると言います。1幕5場の「あなたが側にいれば」(宝塚版では「嵐も怖くない」)と対になっていて、歌詞が裏返しになっているのがわかります。

■第16場
 ハプスブルク家の人々が次々死んでいくという悪夢の中でフランツはトートと出会います。これはあったほうが時間の経過がわかりやすいと思うんだけれど、トート(死)のシシィへの愛に焦点を絞っている宝塚版ではないほうがいいのかなあ。

■エピローグ
 ルキーニに刺されるのはやっぱり一瞬でしたが、シシィは医者を呼ぶことを拒絶します。トートに呼ばれたシシィは自分で黒いドレスを脱ぎ、白い衣装になってトートに歩みよります。トートの死の口づけでシシィは動かなくなり、トートはシシィをに抱きあげて闇の中へ消えていきます。トートは本当に〈死の使い〉という感じで、シシィとふたり天に昇るというよりは、静かに闇に帰っていくような終幕でした。

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